何度も見たくなるノートルダムの鐘ーネズミの穴に寄せて

ネズミの穴(考察)

ノートルダムの鐘をご観劇になった方、またはこれから観る方もいらっしゃるかもしれません。

もしもまだご覧になっていない方でこのページに出会われたのであれば、できればこのページはそっと閉じて、まずはご観劇いただきたいと思っています。

今すぐにでも観ていただきたいし、その中には何度も観たくなった方もいらっしゃるでしょう。

ノートルダムの鐘のミュージカルは、とても美しく、迫力があり、活気あり、そして胸に突き刺さります。ユゴーが生んだドラマチックさとアラン・メンケンの美しい音楽が出会い、ディズニースタッフが試行錯誤しながらドラマチックで、奥深く綿密なミュージカルに仕上げました。

魅せられた皆さんの多くは、特に劇団四季をはじめとする魅力的な俳優陣の素晴らしさをご存知だと思いますし、このドラマチックでロマンがあり、胸をうつ内容に魅せられたことと思います。そして、自分自身の心の状態と向き合っている方、また何とも言えない美しさがお好きな方もいらっしゃると思います。

何度観ても飽きがこず、何度観ても観るところが変わる。

 

何かが浄化されて、すっきりするような清々しい気持ちになる時もある。
ここがお好きという方のためには、一部の考察は、思っているものと違うかもしれません。

原作で冒頭に追加されたユゴーの覚書を引用すると

ー 波乱に満ちた物語だけを求めてこられた読者の皆さん、こうした方々はもちろん極めて正しい鑑賞力をもっておられるわけだが、から見れば、あってもなくてもいいようなものかもしれない。

まさにこの通りなのです。

それだけでは何だかモヤモヤして、そのモヤモヤをどうしたらいいかわからない人のために、考察を作りました。この物語は、非常に奥が深いのです。どれだけの知識を持っていてもなかなか本質にたどり着くのが難しい問いかけと、様々な感情との出会いをさせてくれる、そんな作品なのです。
同じ部分のユゴーの言葉を引用すると

ーだが、また違ったタイプの読者もきっとおられるであろう。この本の中に隠されている美学や哲学の思想を学ぶのもまんざら無益ではないとお思いになったような方々

そんな方たちの思考の一助のため、また

ー小説の中に小説ではないものを見出し、詩人の貧しい制作の中に、——歴史家の方法や芸術家の目標を尋ね求めて大いに楽しんでくださったような方々

そんな方たちと共有してみたい、また語ってみたい

そんな気持ちで始めた考察が「ネズミの穴」です。

この作品の中に配されたもの一つ一つの意味の見事な人間観察を探していただけますように、と願って考察をする次第です。


関連項目

 

(最終更新日:2019年4月12日 記:むじな)