大聖堂を再現ー劇場はパリ

鐘のすヽめ

開演前からすでに楽しみ方がたくさんある「ノートルダムの鐘」。少し早めに着いて、大聖堂を見学するのがおススメです。

夜明け前、大聖堂に集まる私たち

 

客席に入るとすでに厳かな空気を感じます。木製の力強さがあるシンプルな舞台が目に入ってきます。大理石風の市松模様の床、二階がクワイヤ(聖歌隊)の席になっています。そう、このステージはパリのノートルダム大聖堂を再現しています。二階の奥部分には、薔薇窓が。まだ薄暗いステージですが、一筋の照明が当てられています。これは夜明け前をイメージしているそう。朝早くから、私たちも会衆の一人になって、今日の舞台を楽しみに見に来る。初めての方、何度も観てる方、家族で楽しみに来る方、大事な人と来る方、様々な方が集まる大聖堂。劇場内をそんな風に楽しむのもいいですね!

石像たちが見つめる舞台、床にも注目

 

両サイドには聖人の石像が鎮座しています。こちらを見ているような…ステージを見ているような…いまにも動き出しそうです。ステージを目の前にすると、大理石の床が客席まで迫り出しています。この床も、ノートルダム大聖堂の実際の床を模しているんです。よく見ると、文字が刻まれています。数字と、真ん中あたりに見慣れない文字が…..!!! これこそ、ユゴーが「ノートル=ダム・ド・パリ」の冒頭で触れたアナンケー(宿命)です。大聖堂は、劇中のフロローのセリフにも語られる石の交響曲(シンフォニー)と例えられているくらい、石造りの建物です。大理石の床、石像彫刻も舞台の特徴となっています。緞帳(幕)がない舞台、開演前からすでに客席は、パリ、ということなんですね。

客席は大聖堂の中に、パリの街になる

 

公演中は、このステージ上で、手すり、ベンチ、大階段などを使って、大聖堂になったり、広場になったり、パリの街になったりしていきます。ヴィクトル・ユゴーは原作中、大聖堂を大きな船、パリの街を大海原に例えたりしています。客席が、パリの街・大海原になったり、船の船首のような手すりの屋上が現れたり。華やかな広場、街の人々が生き生きとするステージ。客席も一体となって、体験できる舞台になっています。想像力をフルに使って、公演をお楽しみください。

 

※会場内のお写真を撮影すること、舞台に触れることは禁止されています。心の中に留めてくださいね!

 


関連項目

 

(最終更新日 : 2019年4月15日 記むじな / 写真提供 : キセツ)